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新入職員オリエンテーション②

    • 2020年04月13日 ブログ

新入職員オリエンテーション2日目

 新入職員オリエンテーション2日目。

「医療安全について」の講義がありました。

私たち医療者が行うケアは、一つ一つが患者様の安全に直結するものです。細心の注意をはらい、丁寧に、正確にケアに当たらなくてはいけません。

しかし、どれだけ注意深く行っていても、残念ながらヒューマンエラーをゼロにすることは難しいそうです。

それでは、どのようにしたらエラーを極力ゼロに近づけるのか。医療安全管理室・リスクマネージャーの講義を聞きました。

新入職員オリエンテーション2日目

スイスチーズモデルとは?

 

ヒューマンエラーがどのように起こるのか、漠然と考えてもとらえどころがないので、あるものに例えて考えてみます。取り上げたのがスイスチーズモデル。

スイスチーズモデルとは、ポコポコ空いたチーズの穴をすり抜けるようにエラーが起こると考えるものです。チーズの穴が大きければ大きいほど、また穴の数が多いほどすり抜けやすくなります。

そこで 穴のパターンが違うチーズを何層にも重ねれば複数の穴をすり抜ける確率は少なくなっていく。

つまり、チェック機能を複数もうけることで、ヒューマンエラーを極力少なくしようという考え方です。

具体的には 

複数回確認すること。

複数人が確認すること。

スイスチーズモデルとは?

 

そして、人間の集中力は、一つの事に気を付けていると、その周囲で起こった事には気がつきにくい,という特徴があるそうです。

講義では、集中力を試す実験動画を見ました。2チームに分かれバスケットボールが何回往復しているかカウントする動画です。パスの回数は何回か?ボールの軌道を一生懸命目で追っていきます。皆食い入るように動画をみてパスの回数をカウントしました。

そこでリスクマネジャーより「何か気付いた事はありますか?」の質問がありました。

新入職員A:「途中でゴリラが入ってきました」

「???」

にわかに信じられませんでしたが、もう一度動画を見ると!本当にゴリラの着ぐるみの人物が、ボールパスの間を通り過ぎていっていました!文字で状況を説明すると「そんなはずないでしょ?!」と思われるかもしれませんが、

私もボールばかりを目で追っていたので、ゴリラに気づくことが出来なかった…。気付いた人すごい!

(ちなみに気になる方は「バスケット ゴリラ」で動画検索できます。興味がある方さがしてみてください!)

これはパスの回数を正確にカウントすることがメインではなく、「ゴリラの乱入」というイレギュラーな現象に気づくことがができるか?という実験動画でした。

何か一つの事に主眼を置くと「いかに視野が狭くなってしまうか」ということに気づかされる実験動画でした。

エラーとはどういうものが、どういう性質なのか知る事はとても大事です。

自分を過信せず 慎重に慎重を重ねて業務に就いていこう。リスクマネージャーの言葉が実感を持って響きました。

ハインリッヒの法則から見えること

 一件の重大エラーが発生する以前には、30件の中等度エラー、300件の軽度エラー・ヒヤリハットがあると言われています。それをハインリッヒの法則と言います。

あってはならない重大なエラーを発生させないためには、これは危険につながりそうだ、と感じた時点で報告して、業務を見直し、改善策を立て変えていければよいのではないか。早期の対策でエラーを招く確率は大幅に減るはずです。

そして、万が一アクシデント・インシデントが起こってしまった場合も隠したりごまかしたりせず報告することが大切です。

ハインリッヒの法則から見えること

 自分のしてしまったミスを素直に報告できますか?

リスクマネージャーから質問がありました。あまりすすんでしたい気持ちにはなれないけれど…というのが正直なところですが、ケースを振り返る事は、自身の安全意識が高まりいっそう注意深く仕事に向買うことができ、また解析・対策を立てることで似たような環境に置かれた他者の事故防止にもつながります。エラーを「一人のもの」としてとどめておくのではなく共有することで、今後の教訓となり現場も病院も安全性が高まります。

共有がより安全な環境を生む第一歩となる!

全ては共有から。共有は円滑なチームがあってこそ。

 ヒューマンエラーの講義を聞いて、「集中力」・「複数回・複数人での確認」・「報告と共有」が大事と学びました。

それを忙しい現場で高いレベルで持続させるには、チームが円滑で風通し良く、何でも話せる関係性であることが大事ではないでしょうか。

「こんなこと聞いたらおこられるかも…」と分からないことがあった時もじもじしてしまった、先輩に話しかけるのを躊躇してしまった、という経験がある看護師は多いのではないでしょうか?

新人看護師も現場で同じ思いを抱くかもしれませんが、そんなことはありません。患者さんの安全に関わる事です。先輩看護師も真剣に教えてくれるはずです。分からないことをわからないままにせず、一緒に安全な看護を目指していきましょう。

全ては共有から。共有は円滑なチームがあってこそ。

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