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外科病棟に勤めて4年目の看護師Aさんに話を聞きました。
聞き手は看護学生時代からAさんをよく知っている看護学生室の師長。
4年目お仕事どうですか?と師長の声掛けからお話はスタート。
「今は患者さんと話すのが一番楽しいです。」と少しはにかみながら
Aさんは答えてくれました。
印象に残っているのは、肝臓癌の末期の患者さんです。容体が悪化してからは個室に移動し、不安になる患者さんを家族が心配し泊まったりしてとても献身的に接していたのが印象的です。
家族がいないときは、その患者さんはやはり寂しそうで。個室って静かなんです。一人になると話し相手ももちろんいないし。外の音がなんとなく聞こえるだけ。この方に限らないとは思うけど、患者さんんて「ああ話がしたいんだな」て思いました。
=Aさんは優しいし、その患者さんはAさんを頼りにしているのではないですか。
いやいやそんなことは~と謙遜されてしたAさん、患者さんのことを話すときはとても柔らかに話しているのが印象的でした。患者さんの心理や内面もしっかり見て、心情を理解しようとする真摯な姿勢が伝わってきます。
夜勤の忙しい時間帯にその患者さんはコールを頻回に鳴らしていました。用事があるならいいけれど訪室すると「ただ呼んだだけ」と言われたりします。正直「もう~!!」ってなるときもあります。忙しさでいつものように優しくなれないときもあったかもしれない…。
=患者さん訴えが多くなっちゃうんですね。
でも、あとから冷静に考えるとやっぱり患者さんは特に夜勤帯は寂しくなっちゃって、「話がしたい」って切実に思っているんだと思うんです。それはもしかしたらほとんどの患者さんんが潜在的に持っている思いなのかもしれないです。それをコール頻回という行動で示しているのかもしれない。
看護師は患者さんが本当に伝えたいことに気づかないといけないですね。表面的な訴えだけじゃなく、その裏に隠れている思いや心情をくみ取ることが必要なんだと思いました。
=その患者さんはやっぱりあなたのことをとても頼っていたんじゃないか、お話を聞いていてそう思いました。
Aさん患者さんにとっても好かれる看護師さんなんですね。Aさん4年ですごく成長した~!!
=4年目はもう立派な中堅看護師ですよね。3年で新人研修が一区切り、1年目の新人看護師のプリセプターも勤めて成長も見守って。もう自分より後輩の看護師と夜勤を組んで、頼られるポジションになってきているでしょう?
「中堅」って呼ばれるのが嫌なんです~。聞かれても完璧に答えられるか自信がなくて。まだ自分が若葉マークを付けていたいくらい。でもよく後輩に質問されます。そのたび本当にこの答えでいいのかな…て。
=あ。やっぱり聞きやすい先輩なんですね。分かります。Aさん親切で穏やかだから、つい聞いていいかなって後輩に思わせるものをもっているもの。頼られちゃうね。
でも本当に夜勤は今でも不安です。急変するかもしれない患者さんがいる夜勤は緊張して、どうか朝まで無事でいてくださいって心の中で祈りながら夜勤に入ります。朝、日勤の人が来ると内心ホッとしちゃいます。ああ今晩も患者さんたちを無事に日勤に引き継ぐことができたって。
=当院では3年目の看護師が、新人看護師の教育担当となるプリセプターシップを行っています。一年間ひとりの新人看護師を担当してみてどうでしたか?
私の担当した1年目の子は順調でした。ただ、ほかの新人看護師全体を見てみると、成長のスピードは一人ひとり違う。それによって業務の進み具合も違うのだけれど、同期と比べられてしまうのはしんどいだろうなって思います。フォローはするからもう少し先に進ませてあげたいって内心思うこともあります。
=先輩たちは新人のためもあって慎重に判断しているけれど、当人に一番近いところにいるプリセプターは新人ナースの気持ちも考えてしまうよね。確かに比べらることはプレッシャーになっているかも。でもそれをバネに成長していってほしい。
そうですね。ただプレッシャーに押しつぶされて看護師をやめたくなることがないように、自分の担当の新人だけでなく同じ病棟の新人の子も気にしてあげたいと思います。
新人たちの看護技術や仕事の面だけでなく、感じているだろうプレッシャーや辛さにも思いが及んでいる優しいお姉さんのようなAさんでした。新人を育てることは自分の成長にもつながりましよね。
次は そんなAさんが描く「将来の姿、未来像」についてきてみます。
No、②に続く。