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本日の新人看護師研修は「インスリン注射と低血糖の話」です。
日本で糖尿病とその予備軍を加えると総数は1000万人近く、単純計算で9~10人には糖尿病の可能性があるといわれています。これはとても多いです。看護師をしていたら内科・外科、科を問わず接することの多い病気です。
また、糖尿病は慢性疾患なので長い経過をたどり「一生のお付き合い」となる患者さんも少なくありません。
自己管理を必要としますので、患者さん自身が食事療法・インスリンを含む薬剤療法・運動療法を行っていかなくてはなりません。
その中でお医療スタッフは「自己管理ができるように指導していく」ことが求められます。
研修では疾患の復習とともに、インスリンの打ち方、注意点などを学んでいきました。
本日の講師は当院の糖尿病認定看護師です。
最初に認定看護師が「こんにちは~!」とあいさつ、新人看護師たちが「おお~」('◇')と声を上げ、視線を集めました。認定看護師が、かわいい手作りエプロンで登場です。胃や膵臓、肝臓などをフェルトで作って、エプロンに縫い付けてあります。写真ではわかりにくいけれど、小腸は何メートルも作ってあったんですよ。
発売されてしばらくたっているるので、「新薬」ではないですが、GLP受動体作動薬という薬があります。「アテオス」という商品名で、インスリンのように皮下注射する薬剤があるのですが、インスリンとも違う薬剤です。この薬の良い点は、「低血糖を起こしにくい」「針と薬液が一体化しているので手技が簡単」「週1回の接種で済む」など、自己管理していく上で安全性と利便性を兼ね備えた薬剤と言われています。また太りにくいという大きな利点もあります。
アテオスから各種インスリンまで、実際に針つけや皮下組織デモへの穿刺を体験しました。
ちなみにこの「アテオス」、手技が簡単というのがポイントなのですが、「当てて押すだけ」からネーミングされたとか!
薬剤の名称ってダジャレみたいなものがたまにあっておもしろいです('ω')
インスリンの針は採血の針と比べてとても細いですが、針は針、刺すのに痛いのにはかわりはありません。
患者さんの中にはインスリンだけはしたくない、という方も多いです。毎日自分で注射しなくちゃいけないなんて抵抗ありますよね。
でも、自身の健康を守るためにインスリンを導入しなくてはいけない患者さんはいます。
その方たちに、どのように説明したら、必要性をわかってもらえて、積極的にセルフケアに向かってもらえるか。まずは、看護師がわかりやすく説明し、必要性を納得してもらうことがとても大事だと思います。
この日の講義は午後に組まれていたのですが、認定看護師は講義の前に話していました。
「午後の講義って眠くなっちゃう時間帯なんですよね。私の講義は寝ないで聞いてもらいたい!」と話していました。
人体模型エプロンでみんなの関心をぐっと集めて、ぬいぐるみやイラストを使用してとても「カラフル」な授業でした。
むずかしい話ほど、視覚や感覚などいろいろなアプローチで飽きさせず、印象に残るように話していくことが重要でそのためには伝える側の工夫と努力も必要なんだと、今日の講義を見て実感しました。
今日の講義は病態や薬剤の知識だけでなく、「上手に伝えること・わかってもらえる話し方」も大いに学べる講義でした。